今の世の中は皆がタイタニック号のような底に穴の開いた大きな船に乗っているようなものだ。補修はもう不可能になっている。
ところが人々は何をするでもなく、ただひたすらに行動するのをめんどくさがっている。現実逃避をして遊びに耽っているいるのも大勢いる。
行動しなきゃ死ぬ、とわかっているのにウダウダと理由を付けて何もしない。船が浸水して身体まで水に浸かっても何もしない。やがて密室と化した船内では呼吸できる水面がわずかになる。人々はそれを奪い合って、他者の脚を引っ張って殺し合いをする。だが結局船は沈む。水面と天井の隙間が無くなって、ついに呼吸できなくなった時に唇を天井につけて、「畜生!」と叫ぶ。だがそれは誰にも聞こえない。そしてそのまま死ぬ。こういう人達は自分で何かを変えようと動く事が死ぬよりも嫌いなのだ。
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