ふと思い出したので書いてみよう。
この内田貴洋が昔、某第三セクターで働いていた時の事である。この会社では営業周りでわからない場所へ行くときは、前日に残業時間を使ってインターネットで地図を調べる決まりであった。勿論残業手当は出る。
しかしある時、木村さんという人がこの作業を昼休みに飯を食いながらやりだした。すると忽ち地図を調べるのは昼休み内にやるのが会社全体の常識になり、残業時間を使って調べ物をしていると怒られるようになった。
またある会社では、遅刻に対する罰則が厳しかった。なので磯貝さんという人は始業1時間前に来るようになった。磯貝さんはやる事がなかったので出来る仕事をやっていた。すると忽ち始業1時間前に来てサービス残業ならぬサービス早業をするのが会社全体で当たり前になり、それをしないと経営者から怒られるようになった。
以上のように、日本人の多くは労働者美学を持ち、サービス労働を行う事が多い。経営者に無茶を言われても二つ返事で承諾してしまう。だがしかしそれは、同僚に対して非常に迷惑をかける行為であり、労働者と雇用者のパワーバランスを大きく崩す最悪の行為なのだ。ブラック企業増加の背景にあるのはこの日本人の労働美学である。ちゃんと社会学、もしくは経営学的な視点で考えればこれが悪だとわかるはずなのだが、あまりにも近視眼的な人が多すぎる。なんとかならないものだろうか。
以上内田貴洋久々の啓示
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