後輩とMSNでチャットをしつつyoutubeを漁っていたら、外人オタク(日本のアニメが好きなアニオタ)の動画がいっぱい出てきた。
奴らはとても楽しそうであった。彼らの聖地である秋葉ではしゃぎまくっていた。「萌え~」がキーワードである。そう、今やオタク文化は萌え文化なのである。ある時、秋葉のホコ天でストリートライブが行われており、そこの観客が見事にハジケまくっているのを見て私はこう思った。「なんだこれ・・・渋谷あたりのクラブで死んだ魚みたいな顔して踊ってるギャルより全然ノレてんじゃん。」そして極めつけは、朝のニュースに「萌え」という単語が出てきた時である。
私はこの自国の文化を楽しんでいない自分がとても損をしている気分になった。私はオタクアレルギーであり、オタク文化にはなるべく触れないようにしていたのだが、何が彼らをそこまで駆り立てるのか、そしてなぜ日本が総オタク化しているのか、興味がわいた。
と、なると我々もオタク文化を体験してみなければ、その答えは出まい。オタク文化のフラッグシップと言えばエロゲーである。エロゲーをやるしかない!と思って、後輩にとりあえずやらせてみた。
感想「むかつくだけです。飽きました。」
うーん、これはおかしい。なぜ皆そんなむかつくものにハマっているのだろうか。これは、ゲームの選択が悪かったのではなかろうか。そう思った私は、友人のY君が昔言っていたフレーズを思い出した。
「エロゲーにはいろいろ種類があって、抜きゲー、萌えゲー、泣きゲー云々」
よし、さっそくY君に相談だ!!
相談した結果、どうやら中にやらせたのは抜きゲーというジャンルのものらしく、これに「萌え」は存在しないらしい。これではダメだ。完全に履き違えている。我々の目的はエロゲーを研究することではなく、「萌え」を理解することだ。エロゲー研究はあくまでその手段なのだ。手段と目的を履き違えてはならない。
では「萌え」を理解するには何がいいのかとY君に聞いたところ、「to heart2」という王道ゲームがいいと言う。さっそく検索だ!!
http://www.aquaplus.co.jp/th2/
http://leaf.aquaplus.co.jp/product/th2x/
↑ホームページ
いきなり目に飛び込んでくるありえないほど頭がデカい女の子たちにちょっと抵抗を覚えたが、お祭り人間の私はとりあえずMSNで後輩とY君に「誰が好みか決めよう!」と、バカな提案をしてみた。こうして選んでいるうちにだんだんと面白くなってきた。とは言え、この時点では半分バカにしている。所詮現実ではないし、ありえねーなこのキャラは、と。
うーんとりあえず今見れるコンテンツで何かないかな、とyoutubeをあさると動画があった。
なんとアニメ放映までしているらしい。すごいなオタク文化。完全に一般化してるよ。エロゲーなのに。
アニメを見て驚いた。
・・・・ふつーに面白い。
時々オタ受けを狙った電波じみたセリフを吐く女キャラにむかつきと違和感を覚えるが、これは普通に面白い。
見ているとなぜかほほえましく、ニヤけてしまう。
う~ん、これが萌え、か・・・・だんだん理解してきたぞ。
どうやら萌え、は外見ではないようだ。
なぜ面白いのか、ちょっと分析してみた。
・キャラクターに金や権力、見栄といった打算がほとんどない
・嫉妬もない
・皆純粋で単純である
・とても平和である
・絵に描いたような理想の学園生活である。
なるほど、不況の現代の人間たちとはまるで反対なわけである。そうだ。こいつらは桃源郷の住人なのだ。つまり、現実の薄汚れた部分が全くなく、理想の世界なのだ。これを見ることは強烈な現実逃避の麻薬であると理解した。
同時に、エロゲーにおけるエロ描写についても少し憶測を働かせてみた。思うにエロ描写は、まるで恋愛小説、ドラマの塗れ場のような存在であって、決してエロがメインになっているわけではないのである。おそらくこれで抜けと言われても無理だろう。。あくまで愛の物語の、エッセンスなのであろう。
まだゲームはやってないけど。
だがしかし、私は桃源郷の物語よりも、泥臭く生臭い人間の物語のほうが好きなので、オタクになるのは難しいのではないかとも思った。
[…] 前回のエントリhttp://www.uchidatakahiro.com/otaku/20060521_7.html からの続き。 […]
Comment feed