» 2012 » 3月 » 22のブログ記事

 どうにもこの国は性善説に基づいた甘っちょろい考えで人を管理したがる風習が残っている。道を歩いていて、様々な施設を利用していて、飲食店で、「~はご遠慮ください」などと言った禁止を強要する張り紙がしてあるのを見たことがないだろうか。例えば「ペットボトルへの給水はご遠慮ください」「休憩に使用するのはご遠慮ください」「お一人様~個以上はご遠慮ください」「歓談目的での使用はご遠慮ください」「マナーモード云々」

 少し考えればわかる事だが、これではマナーをガンガン無視して図々しく使った人間が得をし、馬鹿正直にマナーを守った人間は損をする。さらにこのような規制をかけまくることによって、モラルのある人は生きる事、行動する事自体に非常にストレスを感じるようになる。当たり前だ。何かの行動をする度にいちいちルールをチェックして管理者の顔色を伺わなければならないのだから。
 結果、モラルのある人間は外出しなくなったり、施設を利用しなくなったりしてしまう。反対にモラルのない人間達は誰に注意されようと屁とも思わないので、社会はどんどんモラルのない人間達で埋め尽くされていくことになる。ザ・悪循環である。

 そもそも性善説に期待する、というやり方は善良な人だけに義務を負わせ精神的ペナルティを与え、善良でない人にはノーペナルティ、という非常に不平等な管理方法なのだ。こんなやり方ではうまく行くはずはない。ではなぜこんなやり方がこの国でまかり通っているのかと言うと、それは管理する側の怠慢である。管理する側は自分達の仕事(人々の管理)を管理される側の人間に文書一枚で丸投げし、後は何もしない。こんなもののどこが管理だと言うのか。

 管理というものはそのようにするものではない。悪名高きテイラーの科学的管理法などが有名だが、被管理者がそうしなければ損をするように周りの環境を整えて、あたかも被管理者が自分の意思でそれを選択したかのように誘導するのが管理というものだ。かといって罰金形式や時間課金方式もよくない。これは~はご遠慮くださいという禁止形式と事実上全く同じであるからだ。

 ペットボトルへ給水されるのが嫌だったら給水器をカウンター内に入れて店員が給水するようにすれば良いだろう。ロストする水代の分、店員に還元してやれば良いだけの事である。休憩に使用されるのが嫌なら逆手にとって休憩スペースを作ってしまえば良い。お一人様~個についてはレジの真横で販売するか、最初から券を配れば良いことである。人間は禁止や強要をされると不快感を覚えるものなのである。

 ストレスフリーな社会、これは内田貴洋王国の基本理念のひとつであるから、内田貴洋王国では禁止や強要は禁止する。

これは丁度3.11の後9日経ってから書いた論文で、丁度一年が経ったので公表してみようと思う。

楽観的すぎる日本人。もっと頭を使って長期的視野を持たねばならない。

3号機の弁開放へ 圧力高まり
~読売かどっかのリンク~

 1号機の弁開放ではベテランの当直長が担当して100ミリシーベルト以上の放射線を浴び吐き気等で即病院送りになったはず・・・こいつはどうなったのだろうか。

 2号機は格納容器破損の可能性ありと原子力保安院が記者会見(13:00過ぎ、TV中継は無し) これはどこが報道してるのだろうか。

 3号機の弁開放する奴は決死隊だろう。一体誰にやらせるのだろうか。

 実際原発問題はまだまだ山場を越えていないわけで、のん気に構えている輩が多いのは辟易する。東北地方から汚染物質が検出された時点で、ここの一次産業は壊滅する。例え人体にまったく影響がない範囲だとしても、東北産の食料品が売れる事は難しいだろう。10年は厳しいのではなかろうか。原発は廃炉が決定だから、新しく電力供給のインフラを整備する必要がある。

 こうなると産業構造の転換が図られるわけで、関東の人は今までどおりの生活を送る事が出来なくなるのは必至。それをおざなりにして、大丈夫大丈夫、と言っているだけの人は、今の生活を変える勇気のない人である。または、それを言い訳にしてるだけのめんどくさがりである。

 よく某氏と話をすると「日本人は頭を使わないでただひたすら作業すれば報われると考えている馬鹿が多く、企業もそういう評価基準を下すので、要領よくテキパキと仕事をこなす人間が低評価になり、要領が悪くていつまでも残業ばかりしている人間が高評価になる。そしてそのような人間が上に立つようになり、社会全体の能率が落ちていく」という結論にたどり着くのだが、今回の騒動でそれが浮き彫りになった。

 トップ中のトップである内閣が無能揃いであるのは言うまでもなく、企業の上の立場の人間はひたすら下に責任を押し付けて「とにかくやれ!」としか言わないし、非常時にも関わらずタクシーの列に並んで職場に行く人々。本来ならトップの人間が事態に配慮するべきだし、下の人間も会社と結婚してるんじゃないのだから、もっと他にやるべきことがあるだろう。長期的視野に欠けすぎている。明日の命よりも今日の仕事、というメンタルなのだろうか。もしくは、実は日本は超貧困社会で、30日後死ぬとわかっていても仕事をしないと今日の飯にありつけないというのが現状なのだろうか。

 あるいは全くの他力本願人間か、である。大丈夫って言う人がいるのだから、大丈夫でしょ。実際これで汚染物質の蓄積で被曝者になったら、大丈夫って言ってた人に責任とってもらえばいいでしょ?なんて考えているのだろう。情報の取捨選択すら他人任せなわけである。自分の命は他人任せ。サラリーマンの生き様そのものとも捕らえられる。

 日本人はとにかく頭を使わなければならない。とにかくやれ!じゃ駄目なのである。どうにもこの国は竹やりでB29を落とそうとしていた頃から進歩していないらしい。神風特攻隊も実はこんなノリでなんとなく出撃してなんとなく死んでいったんじゃないかなと思う今日この頃である。

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