ドラッグとアルコール、両者は似ているようで実は内情は異なる。
アルコールは負ける事が好きな人間がハマるものである。なぜなら人々は理性がアルコールに負けて働かなくなる事を楽しんでいるからだ。そして結果として勝負に、快楽に、怠惰に負けても良いと思っている。またはそれが原因で人生が狂って負け組みになってしまっても良いと思っている。「そんな哀しい話もありさ」というような負けの美学に陶酔できる人間が好む負け犬の遊びがアルコールだ。
対するドラッグは理性が快楽をコントロールできないとただひたすら恐怖のどん底に突き進むことになる。いわゆるバッドトリップの一種である。恐怖とは未知に対する感情だからだ。快楽もまた未知であれば恐怖になりうるからである。であるからして、徹底的に理性と快楽を戦わせ、理性で快楽を押さえ込むことが出来て初めてドラッグを楽しむことが出来るようになるのだ。つまり勝つことが好きな人、戦うことが好きな人が好むのがドラッグである。
また逆説的に言うと理性が強い人でないとドラッグはコントロールできず、楽しめない。そしてこのように理性が強い人はドラッグの使用そのものもコントロールできるので、中毒者になる事もない。